ハノーヴァー・マヌーヴァー
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【特別インタビュー】ボンバードラミ 透明な美しい声に誘われて

2016/12/13 50号

いきなり出会ったディープなジャズ

ボンバードラミ氏は東京の中央線西側で活動しているボーカリストだ。YoutubeにアップされているA RaやDecember(作曲山田貴子pf 作詞ボンバードラミ)を聞くと、ブラジルの森林の中を足元の草のする音を気にしながら歩く、そして、ふと顔を上げたその先に細い小川と海が入り混じった小さな浜が見える・・・そんな美しい声をしている。


A Ra
December

と思って他のビデオを見ると日本人にはめずらしい高音でかすれたハスキーな声でリッキー・リー・ジョーンズのChuck E.’s in Loveを歌っていたり、幻想的なループ音楽をやっていたりする。そのそれぞれがボンバードラミ氏の魅力になっているので不思議である。

彼女はもともと学生のとき、とあるジャンルの研究会にいたが、ある日先輩のピアニストに「これを歌って」と言われてジャズのレコードを渡されたという。それがビリー・ホリデイの「奇妙な果実」やアニタ・オディの「アニタ・シングス・ザ・モスト」やカーメン・マクレエなどのジャズの骨太で一番ディープなものばかりだったという。

「普通だったらもっと軽いものをやろうと思うじゃないですか。ボサノヴァとか。いきなりこれですから。この先輩は当時バド・パウエルとかセロニアス・モンクを完コピできる人だったんですよね」。純真な彼女はジャズボーカルとはこういうものなのだと信じて疑わなかったが、その後、この先輩は別の道へと行ってしまう。

「30代に入って自分の声を追求するために、好きだったタバコやお酒を止めて、今この数年声も演奏もやっと安定してきました」と彼女は、インタビューの場所である自分で引くコーヒーが売りの「サイクルカフェ」でコーヒー豆挽き機を回しながらいう。

ライブは演奏者とリスナーとの大縄跳び

そんな彼女は、ボイストレーニングを欠かさない。「たまたま自分の住んでいる立川市の近所に素晴らしい方がいると聞いて」始めたというのだが、こんなにきれいな声ならもういいんじゃないのと周りは思ってしまうが、「図書館のようなもので、できること、やれることを整理して、ラベリングして、綺麗に頭の中の本棚に収納する作業」という。演奏中は、ではその収納したものに身を置いて歌うのだろうか。

「演奏中の要素ってほとんどがインプロビゼーション。図書館のように頭が整理されていると、とっさのときに反応しやすいのです」という。

そんな彼女からクイズを出された。「ライブってお客さんと大縄跳びをしているようなものなんですよ。でも演奏者と観客とでどっちが縄を回すほうだと思います?」うーん、ここは一発、予想外の答えをしておこう・・・

「まさか、縄をまわすほうがお客さん?」「そうなんですよ!これ当たる人、あんまりいないんです」とほめられてしまった・・・で もその心は?「普通演奏者がお客さんをノセよう、ノセよう、とするじゃないですか。あるいはMCでそう呼びかけたり。でもそういうのではダメで、演奏をし ていると自然にお客さんが足や首や指で乗ってくる、それがうねりになって演奏する側も巻き込まれて、演奏する側が縄跳びを飛んでいる、というのが最高なんです」

「なかなかそういうのが分からないときもあったんですけど、お客さんが間近に座っている空間だと、どんなにお客さんが高齢でもそうやって頭や足が動き始める。 ブルーノートでそういうところを見たり、自分のライブでも体験させていただいて、こういうことが大切だなっと思うようになりました」

読者へのお勧めの一枚は?

そんな彼女にハノーヴァー・マヌーヴァー読者へお勧めの一枚を聞いてみた。「これの1曲目と9曲目を12月1日に高円寺のアフターアワー(アフターアワーのアドレスと電話)でやったんですよ」と言って紹介してくれたのが、チャーリー・ヘイデンのノクターン(Nocturne)だ。

この昔のキューバのイメージのジャケットが良いんですよねえ。と教えてくれたこのアルバム、出てくる音からは、ジャケットからイメージするバップではなく、独特のチャーリー・ヘイデンの透明感ある世界が広がっている。


この雰囲気が最高なジャケット

バップからフリーへ、そしてこうした独自の世界へ入ってきて自分だけの音楽を作り上げたチャーリー・ヘイデンの音がボンバードラミ氏のこれまでの歩みと重なっていく・・・

さて、ここでぜひ読者にプレゼントをしたいということで、ボンバー・ドラミ氏から彼女の三枚組のアルバムを預かってきた。アルバムタイトルは「ニレの木祭」。別れた男女が再び巡り会うまでの道のりを描くもの。彼は生まれ変わって「ニレの木」になってしまったという設定で、どこまで色々膨らませるかにチャレンジしたコンセプトアルバムだ。


三枚縦に重ねるとニレの木になる美しいジャケット

ぜひぜひ彼女の音を聴いてみたいという方のところに届いて欲しい。

なお、ボンバードラミ氏は、東京の立川市西部にある、富士見町住宅団地というところで、ボイストレーニングの教室を開催している。もし彼女とレッスンを受けてみたいという方は、


連絡先:bombar_d@yahoo.co.jpまで。
1時間\3000  年金受給者\2000

読者プレゼント!

ボンバードラミ氏の「ニレの木祭」を三名の読者に1枚ずつプレゼントします。「ボンバードラミプレゼント応募」と書いてメールで
rockkozoo07@gmail.com
までお送りください。締め切りは12月19日となります。応募者が多数の場合ボンバー氏に抽選してもらいます。当選者にはメールで郵送先をお尋ねするメールをお送りします。